長崎県佐世保市白岳町166-11秋月ビル201

就労継続支援A型

就労継続支援A型の概要

就労継続支援A型は、日本の障がい者総合支援法に基づく支援制度の一つで、障がいのある方が雇用契約を結び、給与を受け取りながら働く場を提供するものです。これは一般企業での就職が難しい方を対象にしており、福祉施設や支援事業所でサポートを受けながら、仕事に従事しスキルを高められるようになっています。

特徴

雇用契約:就労継続支援A型では、利用者と事業所の間で雇用契約を結びます。そのため、最低賃金以上の給与が支払われ、雇用保険などの福利厚生も適用される場合があります。

仕事内容:仕事内容は、軽作業から事務作業、製造、清掃、IT関連の業務など多岐にわたり、個々の障がいや適性に応じたサポートが提供されます。

サポート体制:支援員や専門職員が常に支援を行い、仕事の指導や精神的なサポートも充実しています。また、職業訓練や職業準備訓練も受けることができ、一般就労への移行も目指すことができます。

利用条件

雇用契約を結べる状態であること。
一般就労が困難で、福祉的な支援が必要なこと。

就労継続支援A型指定申請の要件

就労継続支援A型事業所(以下「A型事業所」)を開設するための認定申請要件について、以下に詳しく解説します。A型事業所は、「障害者総合支援法」に基づき、障害者に雇用契約に基づく就労の機会を提供する福祉サービス事業所です。設立・運営には、自治体から指定を受ける必要があり、そのために満たすべき基準と要件が定められています。

1. 法人格

A型事業所を運営する法人は、以下の条件を満たす必要があります。

運営主体は法人格(株式会社、合同会社、NPO法人、社会福祉法人など)を有することが必須です。
定款において、「障害者総合支援法に基づく就労継続支援事業を行う」旨を明記する必要があります。

2. 人員基準

A型事業所の運営には、以下の専門スタッフを配置する必要があります。

2.1 管理者

常勤1名を配置。
管理者は、事業所全体を統括し、適切なサービス提供を確保する責任を負います。

要件:
社会福祉主事任用資格を有する者。
社会福祉事業や企業経営において2年以上の実務経験を持つ者。
他の事業所での管理者経験や施設長認定講習会修了者。

2.2 サービス管理責任者

常勤1名以上を配置。
利用者へのサービス提供の計画策定や管理を担います。

要件:
障害者支援分野での実務経験が3~10年(施設種別に応じて異なる)。
サービス管理責任者研修を修了していること。

2.3 職業指導員

障害者の作業指導を行う職員を配置。
常勤換算で、利用者10名につき1名以上の配置が必要。

2.4 生活支援員

障害者の日常生活を支援する職員を配置。
常勤換算で、利用者10名につき1名以上の配置が必要。

2.5 その他職員

必要に応じて看護師、機能訓練指導員などを配置する場合があります。

3. 設備基準

A型事業所には、障害者が安全かつ快適に働ける環境を整えるため、以下の設備基準が求められます。

3.1 作業スペース

作業室の面積は利用者1人あたり3㎡以上を確保すること。
安全性や利便性を確保し、利用者が作業に集中できる環境を提供。

3.2 相談室

利用者や家族との面談を行うプライバシー保護が確保された相談室を設置。

3.3 トイレ・洗面所

障害者が利用しやすいバリアフリー設計の設備が必要。

3.4 休憩室

利用者が作業の合間にリラックスできる休憩室を設置。

4. 雇用契約と賃金基準

A型事業所は、雇用契約を締結し、適正な労働条件を確保することが求められます。

4.1 雇用契約の締結

利用者全員と雇用契約を締結。
雇用契約書において、業務内容、労働時間、賃金、休暇などを明記。

4.2 賃金の支払い

利用者に対して最低賃金法に基づく賃金を支払うこと。
社会保険、労働保険への加入を義務付け。

5. 運営基準

事業所の適正な運営のために、以下の基準を満たす必要があります。

5.1 個別支援計画

各利用者の特性やニーズに応じた「個別支援計画」を策定。
支援計画の評価を定期的に行い、必要に応じて修正。

5.2 サービス提供体制

利用者の障害特性に応じた作業訓練や就労支援を実施。
利用者の健康や安全に配慮し、事故防止対策を講じる。

6. 財務基盤

事業所を安定して運営するためには、適切な財務基盤を有していることが求められます。

6.1 資金計画

開設前に事業計画を策定し、収支見通しを明確にする。
運営に必要な初期投資(設備費、人件費など)と運転資金を確保。

6.2 収支報告

毎年度、自治体に対して収支報告を提出。
適正な資金運用を行い、事業の継続性を確保。

7. 指定申請手続き

A型事業所の指定を受けるには、以下の手順で申請を行います。

7.1 事前相談

開設を希望する自治体の福祉担当窓口に事前相談を行う。
必要な指導や助言を受け、申請書類を整備。

7.2 必要書類の提出

申請に必要な主な書類

  • 法人登記簿謄本
  • 定款
  • 事業計画書
  • 施設の平面図および設備概要
  • 職員配置計画表
  • 資金計画書

7.3 現地調査

申請後、自治体による現地調査が行われ、基準を満たしているか確認。

7.4 指定の取得

基準を満たしていると認められれば、自治体から指定を受け、事業を開始可能。

まとめ

就労継続支援A型事業所を開設するには、法人格の取得や人員・設備基準の充足、適正な運営計画の策定が求められます。また、雇用契約に基づく障害者の就労支援が中心となるため、労働法規や福祉サービス法規の遵守も重要です。申請前には、管轄自治体の福祉担当窓口に相談し、詳細な要件や手続きを確認することが推奨されます。
スムーズに申請を進めるためには行政書士の活用が有益です。

PAGE TOP